こんにちは、Catapult事業責任者の古川勇気です。
補給や輸送を経験した方が物流の求人を見ると、「倉庫管理」「配車」「物流企画」など、似ているようで担当範囲の違う職種が並びます。自分に合う仕事を探すには、名前よりも一日の実務を見ていくことが大切です。
2026年は、物流効率化法に基づく一定規模以上の事業者への義務的措置が始まった年です。この記事では、その動きを手掛かりに、在庫を正確に管理する仕事、輸送を調整する仕事、業務を改善する仕事の違いを整理します。法改正だけを理由に、採用枠や転職の成功を見込むことはできません。
2026年の物流改革で、企業に求められていること
物流効率化法では、2025年4月から荷主・物流事業者に物流効率化の努力義務が課されています。荷主には、積載効率の向上、トラックの荷待ち時間や荷役等時間の短縮に向けた取組が求められます。荷主には、貨物を発送する側だけでなく、受け取る側も含まれます。参考:国土交通省「物流効率化法について」
2026年4月からは、一定規模以上で指定された特定事業者に、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられています。たとえば、取扱貨物の重量9万トン以上が指定基準となる特定荷主には、物流統括管理者(CLO)の選任も求められます。国土交通省は、特定荷主の2026年度の中長期計画の提出期限を10月末と案内しています。すべての会社が同じ義務を負う制度ではなく、対象区分や指定の有無の確認が必要です。参考:国土交通省の制度・提出期限の案内
CLOは、重要な経営判断に関わる役員等の経営幹部から選任される役割です。未経験者向けの資格名として捉えず、まずは自分が関わりたい現場の仕事を具体化しましょう。参考:物流統括管理者の要件と業務
物流の仕事を、3つの実務に分けて考える
ここからの分類は、職務を比較するための整理です。会社によって複数の実務を兼ねるため、求人名だけで担当範囲を決めつけないでください。
1.在庫管理・出荷受入れ:物と記録を一致させる
入ってきた商品と伝票を照合する、保管場所を登録する、出庫や返品を記録する、棚卸しで差異を確認する、といった仕事です。厚生労働省のjob tag「出荷・受荷事務」でも、受入れ・検品・保管・発送に関する事務や、在庫を扱うシステムの利用が紹介されています。参考:job tag「出荷・受荷事務」
補給業務の経験を整理するときは、「物品を扱った」という説明に加え、照合、記録、差異の報告など、自分が実際に担当した行動に分けてみます。民間では、商品の種類、返品の処理、顧客別のルール、倉庫管理システムの操作などを新たに学ぶ可能性があります。
面接では「事務と現場作業の割合」「差異が出た場合の確認先」「入社後に操作を習うシステム」を聞くと、働く姿を想像しやすくなります。
2.輸送・納期調整:関係者の予定を合わせる
発送側、倉庫、運送会社、納品先の間で、必要な数量や受渡し時刻を確認し、変更が出たら連絡をつなぐ仕事です。制度上も、一度に多数のトラックが到着しないよう受渡し時刻を調整することなどが示されています。参考:荷主の努力義務
輸送の経験がある場合は、予定の確認、関係先への連絡、変更時の優先順位の整理などを振り返れます。一方、民間の運賃、契約条件、顧客への納期回答、運転者の労働時間に関する知識は、別に学ぶ必要があります。
「配車」という名称でも、補助事務と責任者では業務が異なります。法令上の資格や選任が関わる職務は、応募条件と担当範囲を個別に確認しましょう。「輸送経験があるので一通りできる」とまとめず、経験のある部分と未経験の部分を分けて伝えます。
3.業務改善:待ち時間や手戻りの原因を調べる
到着時刻、作業開始・終了時刻、引き継ぎ内容などの記録を基に、どこで待ち時間が生まれているかを調べる仕事です。改善案を出した後も、安全性、作業負担、費用、取引先への影響を確認し、関係者と進め方を相談します。
手順を見直した経験は検討材料になりますが、改善提案と、予算決裁や取引条件の変更を行った経験は区別してください。「物流企画」の求人なら、データの集計補助から始めるのか、改善案件を一人で担当するのかも確認したい点です。
架空例で見る「経験・不足・応募先への質問」
以下は、整理方法を示すための架空例です。特定の隊員や部隊の実績ではありません。
- 経験:物品の受渡し時に記録と現物を照合し、差異があれば担当者へ確認していた
- 関心:在庫の正確さを保つ仕事から、民間の物流を学びたい
- 未経験:販売商品の返品処理と、倉庫管理システムの操作
- 質問:「入社後は検品、入力、棚卸しのどこから担当しますか。差異が出たときは誰と確認しますか」
この形なら、経験を過大に見せず、学びたい内容も伝えられます。実際の応募書類では、外部に説明できる自分の事実に置き換えてください。部隊の内部資料、具体的な運用情報、他の隊員の個人情報は持ち出したり共有したりしないでください。文章にまとめる際は、職務経歴書の書き方も参考になります。
「物流に興味がある」から、一日の仕事へ進める
次に求人を見るときは、気になる一社について次の4点を書き出してみましょう。
- 主に扱うのは、現物の確認、日程の調整、数値の分析のどれか
- 誰から依頼を受け、誰に報告し、どこまで自分で判断するのか
- 入社後に学べることと、応募時点で必要な経験・資格は何か
- 早朝・夜間や繁忙時の対応を含め、実際の勤務時間はどうなるか
制度への対応が進む会社でも、募集する職務や教育体制はそれぞれです。自分が続けたい実務と、これから身につけたい知識の両方から比べてください。
Catapultでは、無料キャリア相談、応募書類の添削、テンプレートの提供を行っています。公式LINEに登録して、物流のどの仕事に関心があるかをお知らせください。補給・輸送で担当したことを外部に説明できる範囲で整理し、在庫管理、調整業務、改善業務のどこから検討するかを一緒に考えましょう。
