自衛官の転職活動に生成AIを使う前に|入力しない情報と安全な相談例

「AIに入れる前に」「情報を守る転職準備」の文字と、鍵のアイコン、ノートパソコンを描いたCatapultのアイキャッチ

こんにちは、Catapult事業責任者の古川勇気です。

職務経歴書の見出しを考えたり、面接の練習問題を作ったり。生成AIは転職準備にも使えます。ただ、自衛官が利用を考えるときは、文章の出来より先に「その情報を外部へ入力してよいか」を確かめる必要があります。

まず所属先の規則と利用条件を確認し、実在の任務や人物と関係のない架空の題材で、一般的な練習から始める。この記事では、そのための入力前チェックと相談例をまとめます。生成AIを使わずに準備を進めても構いません。

目次

2026年のガイドライン更新と、自分の利用許可を分ける

総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」は、2026年3月に第1.2版へ更新されました。AIを扱う事業者向けの指針であり、この公表を根拠に、現役自衛官が任意のサービスへ業務情報を入力できるわけではありません。参考:経済産業省「AI事業者ガイドライン」

防衛省の2024年7月の「AI活用推進基本方針」も、生成AIには従来の検索サービスと異なるリスクがあると説明しています。個別の利用可否は、現在の防衛省・所属先の規則や指示に従ってください。転職準備という私的な目的でも、職務上知った情報を自由に扱えるようにはなりません。参考:防衛省AI活用推進基本方針(26〜27ページ)

サービスごとに、保存期間、学習への利用、管理者が閲覧できる範囲などの条件は異なります。設定で学習利用を停止しても、所属先の許可や情報の持ち出しルールを代替しません。不明な点は、情報を入力する前に所属先の担当窓口へ確認しましょう。

入力する内容を3段階で確認する

次の分類は、この記事のために整理した確認方法です。公的な情報区分や所属先の判断を置き換えるものではありません。

赤:入力しない情報

  • 秘密、未公表情報、内部資料、任務や訓練の具体的な計画・配置・実施状況
  • 部隊の実態が分かる人員、装備、能力、連絡網、業務上の課題の詳細
  • 同僚や家族の個人情報、相談内容、顔写真、健康情報
  • 業務用のファイル、画面の写真、メール、録音、内部の様式や記録

「部隊名を消せば大丈夫」「数字を少し変えれば安全」とは考えないでください。時期、場所、役割などの組み合わせから内容が推測される場合があります。外へ出せない情報は、匿名化や要約をしても入力しないことが、この練習の前提です。

黄:いったん止めて、扱いを確認する情報

自分の履歴書、実際の職務経歴、応募先から届いたメール、選考課題、非公開の求人資料などです。自分の情報であっても、第三者の情報や外部共有に条件のある内容が混在していることがあります。この記事では、これらをAIへ貼り付ける方法は勧めません。

必要なのが「文章の構成」なら、原文の添削ではなく、空欄の見出し案を作ってもらう方法に切り替えられます。完成した応募書類は、自分の管理する適切な環境で作成し、提出先や相談相手への共有範囲も別に確認してください。

緑:規則上利用できる場合に、一般的な練習へ使う題材

公開されている職種名について質問する、応募書類の一般的な構成を尋ねる、ゼロから作った架空の人物で面接を練習する、といった使い方です。「緑」はすべてのツールで安全という認定ではありません。端末、アカウント、サービスの利用条件まで確認したうえで選びましょう。

実在情報を使わない、3つの依頼例

以下はすべて架空の練習用です。実際の部隊、任務、人物、成果を置き換えた例ではありません。練習結果をそのまま自分の実績として使わないでください。

1.職務経歴書の「空欄の枠」を考える

依頼例:「物流事務への応募を想定し、職務経歴書で整理する項目を挙げてください。実在の経歴は使いません。担当業務、工夫、確認できる結果を自分で書き込める、空欄の構成にしてください」

出力から使うのは項目と並び順です。AIが勝手に補った人数、金額、資格、改善率は採用しません。書類の基本構成は、Catapultの職務経歴書の書き方でも確認できます。

2.架空の場面で、説明の順番を練習する

依頼例:「架空の人物が、架空の文具店で商品の置き場所を示す表示を提案しました。これは練習用の設定です。課題、行動、学んだことの順に説明するための質問を、一問ずつ出してください。成果や追加の経歴は創作しないでください」

ここでは話の組み立てだけを練習します。自分の経験を語る段階では、外部に説明できる範囲を確認し、自分の言葉で事実をまとめ直します。

3.応募先に確認する質問の候補を出す

依頼例:「一般的な倉庫事務を検討する人が、入社前に研修、担当範囲、勤務時間について確認する質問を5つ挙げてください。特定の会社の情報や採用基準は推測しないでください」

質問候補は、自分が知りたいことに絞ります。会社の制度や実際の業務内容は、求人票、採用担当者、公式情報で確かめましょう。

出力を使う前に、人が確認する4項目

  1. 事実:経験していない役割や、確認できない成果が追加されていないか
  2. 情報:公開範囲が不明な情報や、誰かの個人情報が含まれていないか
  3. 出典:制度、資格、会社の情報は、実在する最新の公式資料で確かめたか
  4. 言葉:面接で意味を尋ねられたとき、自分で説明できる表現か

AIが示したリンクが存在するか、参照した資料が古くないかも確認します。文章が整っていることと、内容が正しいことは別々に点検する必要があります。選考課題では応募先のAI利用ルールを優先し、使用が認められているか不明な場合は先に確認してください。

相談では、まず「何を整理したいか」を伝える

AIを使う範囲で迷ったら、最初は「職務経歴書の構成を考えたい」「面接での説明を練習したい」など、相談したいテーマだけを整理してみてください。機密資料や未公表情報を送る必要はありません。

Catapultでは、無料キャリア相談、応募書類の添削、テンプレートの提供を行っています。公式LINEに登録して、転職準備で整理したいことをお知らせください。相談に使う情報を外部に説明できる範囲で整理し、次の準備を一緒に考えます。情報の開示可否やAI利用の許可は、所属先の窓口で確認してください。

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この記事を書いた人

古川 勇気のアバター 古川 勇気 Catapult事業責任者

株式会社ヒーロープロデュース 取締役COO。2016年に防衛大学校を卒業。リクルートグループやHR Tech企業での経験を経て、現在は自衛隊出身者のキャリア支援に取り組んでいます。

キャリア面談や応募書類の整理、転職に役立つ情報発信を通じて、自衛隊で培った経験や強みを、民間企業に伝わる言葉にするお手伝いをしています。「自分の経験をどう活かせるか知りたい」「何から始めたらよいかわからない」という段階から、お気軽にご相談ください。

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