自衛隊のハラスメント問題と、元隊員が社会で活躍するために必要なこと 

近年、自衛隊におけるハラスメント問題がたびたびメディアで取り上げられています。厳しい規律と上下関係の中で育まれる「組織文化」と「人間関係」。その環境が、時にハラスメントを生み出す温床になってしまうこともあります。 

本記事では、自衛隊内で起こるハラスメントの現状と背景に触れた上で、元自衛官として社会でどのように再スタートを切ればよいのか、そしてそれを支えるキャリア支援の重要性について考えます。 

目次

自衛隊におけるハラスメントとは 

ハラスメントの定義 

厚生労働省の定義によれば、ハラスメントとは「職場などにおいて、地位や立場を利用して他人に精神的・身体的苦痛を与える行為」を指します。 
自衛隊でも、以下のような行為がハラスメントとして問題視されています。 

  • 暴言・暴力(パワハラ) 
  • 性的嫌がらせ(セクハラ) 
  • 私生活への過干渉 
  • 強制的な飲酒・宴会文化 
  • 教育名目の過剰な叱責・指導 

実際に起こった事例と、防衛省の対応 

2022年には、陸上自衛隊の女性隊員が集団によるセクハラ被害を訴え、社会問題となりました。長期間にわたる上官や同僚からの嫌がらせにより、精神的に追い詰められたとされるこの件は、SNSなどを通じて大きな注目を集めました。 
これを受けて、防衛省は以下のような対応を進めています。 

  • 第三者による通報窓口の設置 
  • 隊員へのハラスメント研修の強化 
  • 部隊長の管理責任の明確化 
  • 加害者の懲戒処分の厳格化 

しかし、構造的な問題が根強く残る現場では、依然として「声を上げにくい空気」が存在しているのが現実です。 

なぜ自衛隊ではハラスメントが起こりやすいのか? 

1. 階級社会による上下関係の強さ 

自衛隊は厳格な階級制度のもとに運営されており、命令系統が明確であることが求められます。この構造自体は必要なものですが、行き過ぎた上下関係が「意見を言いにくい空気」や「服従を強要する文化」につながることもあります。 

2. 閉鎖的な生活空間 

とくに駐屯地や艦艇での生活では、プライベートと仕事の境界が曖昧になります。同じ空間での生活が長期化することで、人間関係のストレスが大きくなり、問題が顕在化しにくくなることもあります。 

3. “伝統的指導”と“時代のギャップ” 

旧来的な「しごき」や「厳しい指導」がハラスメントと認識されるようになった現在、現場の指導者がその変化に対応しきれていないケースも見られます。 

被害を受けた元隊員が抱える課題 

ハラスメントを経験し、精神的に追い詰められたまま退職する元隊員も少なくありません。以下のような課題を抱える方が多く見受けられます。 

  • 自己肯定感の低下 
  • 組織や社会に対する不信感 
  • 民間社会への適応に不安 
  • 自衛隊での経験を「黒歴史」として封印してしまう 

しかし、ハラスメント被害を受けたことでキャリアが否定されることはありません。 

自衛隊出身者の強みは“消えない” 

たとえ不本意な形で自衛隊を去ったとしても、その経験が消えるわけではありません。 

元自衛官の強み(ハラスメント被害の有無に関係なく) 

  • 強い責任感と任務遂行能力 
  • 緊急時・危機対応力 
  • 組織内での報告・連絡・相談力 
  • 規律と礼儀を重んじる姿勢 
  • 体力と精神的耐久力 

これらの資質は、民間企業や地域社会でも高く評価されています。 

だからこそ必要な「安心して話せる場」 

ハラスメントを経験した方の中には、「自分の経歴をどう説明すればいいか分からない」「傷ついた自分が社会で通用するのか不安」といった悩みを抱える方が少なくありません。 

私たちCatapultは、そうした方々に対して以下のような支援を行っています。 

Catapultのサポート 

  • 自衛隊出身者専門のキャリア相談(無料・非公開) 
  • 企業向けの経歴説明のサポート(ネガティブな経験の再構成) 
  • 同じ経験を持つ元自衛官とのコミュニティ参加(安心できる仲間とのつながり) 

「あの時の経験が、誰かの支えになることもある」 

ハラスメントという痛みを経験した人は、同じように苦しむ人の気持ちを理解する力を持っています。あなたの経験は、決して無駄にはなりません。 

  • 福祉・教育分野での活躍 
  • 安全衛生・メンタルケアの分野への転職 
  • 若手育成の場での活躍 

実際、ハラスメントを乗り越えた元自衛官の中には、「今度は自分が誰かを守る立場になりたい」と、新たなキャリアを築いている方もいます。 

まとめ|あなたの価値は“過去の苦しさ”では測れない 

自衛隊でハラスメントを受けた経験を持つ方に、私たちは声を大にして伝えたいことがあります。 

その経験が、あなたのすべてを決めるわけではありません。 
そして、あなたの経験を必要としている場所は、きっと社会の中にあります。 

自衛隊経験を活かして、もう一度、社会で飛び立ちたい方へ。 
Catapultの無料相談では、誰にも言えなかった思いも、安心して話せる場所を提供します。勇気を出して話してくださった方の次の一歩を、Catapultが全力でサポートします。 

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この記事を書いた人

2024年7月にBallista入社。8月からスタートした自衛隊出身者のネクストキャリアをサポートする事業「Catapult(カタパルト)」を担当。防衛大学校卒業後、入社試験時の適性検査を販売する企業で営業職などを経験。人材獲得や入社後のミスマッチに課題のある会社の内定率向上や離職率低下に貢献した。

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