3か月で退社した転職1社目の教訓 民間企業に必要なマインド

最初の転職は自衛隊とのギャップに戸惑い、上手くいかなかった石井裕也さん。そこからマインドを変えて民間企業に適応し、着実にキャリアアップしています。“あの時の後悔”を他の自衛隊出身者には経験してほしくない――。元航空自衛官で、民間企業3社目の就職先として、現在はBallistaで働いている石井裕也さんが、失敗から成功までの軌跡をお話しします。

目次

【プロフィール】

石井裕也:防衛大卒業後、航空自衛隊で約4年間勤務。その後は不動産投資会社を経て、医療機関向けのマーケティング会社で営業兼アカウントディレクターを務める。2023年1月にBallista入社。コンサルタントとして活躍中。

古川勇気:2024年7月にBallista入社。8月からスタートした「Catapult」を担当。防衛大卒業後、入社試験時の適性検査を販売する企業で営業職などを経験。人材獲得や入社後のミスマッチに課題のある会社の内定率向上や離職率低下に貢献した。

「トップガン」の影響で自衛隊へ 航空自衛隊で約4年間勤務

古川:自衛隊への志望動機と自衛隊で担当していた業務内容を教えてください。

石井:映画「トップガン」を見て戦闘機の操縦に憧れを抱き、防衛大に進学しました。卒業後は、航空自衛隊のパイロットコースに進みました。所属した約4年間は、パイロットの免許を取るための訓練を重ねる毎日でした。

古川:特に印象に残っている出来事はありますか?

石井:パイロットの訓練を開始して1年半くらいのタイミングで、戦闘機か輸送機か、どちらのパイロットとして歩んでいくのかを決めるテストがありました。私はフライトに手応えを得てテストを終えました。ところが、テスト終了後に同乗していた教官から「お前は度胸があるな。ただ、戦闘機に乗ったら命を落としてしまうリスクがあるから輸送機を担当してもらう」と告げられ、戦闘機を操縦する夢が断たれて大きなショックを受けました。その日の天候やフライトの内容は今もはっきりと覚えています。

転職サイトやエージェントに登録も…出だしから苦戦

古川:民間企業への転職は、いつ頃から考えるようになりましたか?

石井:戦闘機のコースに進めなくなり、輸送機のコースで半年くらい経った時期から転職を考えるようになりました。大手転職サイトに登録して、その流れで転職エージェントのサービスも利用しました。

古川:どのような条件を優先して転職先を探しましたか?

石井:やりたいことが明確には決まっていなかったので、職種は幅広く探しました。軸にしたのは給与面です。自衛官として得ていた給与水準から下げたくない気持ちがありました。企業の探し方やエントリーシートの書き方など、転職活動の基本的な部分で分からないことが多かったですね。自衛隊出身という経歴も理由だったのか、転職サイトやエージェントは上手く活用できませんでした。結果的には、給与面で条件の良かった不動産会社に入社しました。

自衛隊との違いに戸惑い 民間企業に転職3か月で退社

古川:その会社では、どんな仕事を担当されていましたか?

石井:投資用不動産の営業職をしていました。ただ、3か月で退社してしまいます。イメージしていた民間企業の働き方と違い、自衛隊とのギャップに苦しみました。「自分は弱い。思っていたよりも忍耐力がない」と初めて痛感しましたね。

古川:どのようなところに自衛隊と民間企業の違いを感じましたか?

石井:一番戸惑ったのは「人」です。仲間意識が強い自衛隊と違って、民間企業の人間関係はドライでした。こんなにも他者を思いやる気持ちが薄いのかと驚きました。営業担当は個々の数字が顕著に表れますが、自分の成績を上げるためなら手段を選ばないという考え方の人が少なくなかったです。自衛隊のように、全員で協力して組織が掲げるゴールを一緒に目指すものだと想像していたので、周囲への不信感が芽生えてなじめませんでした。

1社目の失敗を教訓 防衛大や自衛隊の経験を軸に転職活動

古川:退社してからは、どのように過ごしていましたか?

石井:まずは、今後をしっかり考え直す時間をつくりました。そして、自分の経歴を振り返り、防衛大や自衛隊の経験を軸にして新しい企業を探しました。次の転職先に選んだのは、防衛大出身者が経営する企業でした。話をする中で、私が民間企業に感じた自衛隊とのギャップを理解してもらえた部分に安心感がありました。

古川:2社目となった民間企業で担当していた仕事内容を教えてください。

石井:入社したのは、医療機関向けのマーケティング会社です。営業職に加えて、社内プロジェクトを進めるアカウントディレクターも担当していました。医療関係者を対象にしたセミナーの講師も務めていました。3か月で前職を退社してから、自衛隊と民間企業の違いを自分なりに咀嚼(そしゃく)して納得できたので人間関係の悩みはありませんでした。

「フラットにものごと判断」 民間に適応するマインドに転換

古川:民間企業のどんなところを受け入れて、悩みを解消したのですか?

石井:相手に期待し過ぎない意識を持つようにしました。自分で期待値を上げてしまっていた部分があったので、フラットにものごとを判断するマインドに変えました。目的や業務内容に違いがある以上、自衛隊の時と同じ価値観で働いても成功するのは難しいと感じました。社内で指摘を受けて、自衛隊時代から意識的に変えたこともありました。

古川:例えば、どのようなことを変えて民間に適応していきましたか?

石井:表情が硬い、話がまじめ過ぎる、と言われることが多かったですね。私の硬さがクライアントに伝わると距離感ができてしまうので、表情を柔らかくする“訓練”をして改善していきました。話を相手のペースに合わせたり、できるだけわかりやすい言葉を使ったりするように心掛けました。営業では相手を知ることと、印象を良くすることを大事にしていました。こちらから一方的にサービス内容を伝えても、興味を持ってもらうのは難しいですからね。

転職成功のカギは「自衛隊出身者との接点」

古川:その後、マーケティング会社からBallistaに転職されています。なぜ、転職先にBallistaを選んだのでしょうか?

石井:Ballistaの中川代表は防衛大の1学年先輩で、卒業後も連絡を取っていました。防衛大の頃から世界を広く見ている中川代表のパーソナリティとBallistaの事業内容に惹かれて、メンバーに加わりたいと思いました。今はコンサルタントとして、知識や経験豊富なメンバーからスキルを学んでいます。自分が成長できる環境に恵まれてワクワクしています。

古川:転職を考えている自衛隊出身者にアドバイスやメッセージをお願いします。

石井:私自身の失敗も踏まえて、防衛大や自衛隊出身の転職経験者から話を聞いておくことが、転職を成功させる方法の1つと考えています。私は初めての転職で情報収集やエントリーシートの書き方など、スタートから苦戦しました。自衛隊は民間企業と異なる部分が多々あります。どちらが良い悪いではなく、どのような違いがあるのか把握した上で転職活動を始められれば、自衛隊出身の強みを活かせる仕事や自分の希望に合った仕事と出会える可能性は高まります。Ballistaでは自衛隊出身者のキャリア形成をサポートするサービス「Catapult」を展開しています。もし私が転職活動を開始した当時に戻れるのであれば、自衛隊出身のキャリアパートナーに相談できるCatapultに登録していましたね。

最後に

転職を考える際、自衛隊と民間企業の文化や働き方の違いを理解することは重要です。石井さんの経験談から学べるように、自分の期待を管理し、柔軟な視点で新しい環境に適応することで、スムーズなキャリア転換が可能になります。特に、同じ背景を持つ先輩や経験者からのアドバイスを得ることで、転職活動の不安が軽減され、自分の強みを活かした選択がしやすくなることでしょう。

キャリア形成の第一歩として、ぜひCatapultのキャリアパートナーとの面談をご利用ください。自衛隊出身の経験豊富なパートナーが、あなたのキャリアを次のステージへと導くサポートをいたします。

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この記事を書いた人

2024年7月にBallista入社。8月からスタートした自衛隊出身者のネクストキャリアをサポートする事業「Catapult(カタパルト)」を担当。防衛大学校卒業後、入社試験時の適性検査を販売する企業で営業職などを経験。人材獲得や入社後のミスマッチに課題のある会社の内定率向上や離職率低下に貢献した。

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