ソーシャル領域の民間企業で求められる人材 自衛隊との共通点は? 

防衛大出身の小川翔平さんは民間企業でキャリアアップを実現されています。総合人材サービスの企業からJR東日本に転職。JR東日本が保有する鉄道以外の様々なアセットを活用して新しい事業を生み出そうとしています。ソーシャル領域の業界では、どんな人材が求められているのか。Ballistaの中川貴登代表との対談をお届けします。 

目次

【プロフィール】 

小川翔平:防衛大出身。卒業後は総合人材サービスを展開するアデコに入社して約2年間勤務。その後、JR東日本に転職。現在はグループ会社のジェイアール東日本企画に出向し、ソーシャルビジネスソリューション局に所属。 

中川貴登:防衛大・航空宇宙工学科卒業。デロイトトーマツコンサルティングやエクサウィザーズなどを経て、2022年8月にBallistaを設立。新規事業開発、組織改革、マーケティングの3つの軸で、多数の支援実績や実行経験を有している。直近では、組織変革の戦略策定や実行、会社設立、新規事業の立上げなどのプロジェクトを担当。コンサルティングスキル、実行スキル、情熱を併せ持つ。 

防衛大→アデコ→JR東日本 

中川:小川さんは防衛大を卒業後、総合人材サービスのアデコを経て、現在はJR東日本に勤務されています。転職した理由を教えてください。 

小川:アデコで担当していた新卒者向けの就職支援や求人開拓の営業には、やりがいを感じていました。一方で、鉄道という社会に不可欠なインフラを担いながら、プラスアルファで不動産やクレジットカードなど鉄道とは別の事業も展開するJR東日本で自分の力を試してみたいと思いました。鉄道と他の分野を組み合わせた事業展開に、自分の営業力を活かせると考えました。 

中川:実際にJR東日本へ転職してイメージ通りの仕事ができましたか? 

小川:最初は駅の業務を担当しました。そこで経験を積んだ後、公募制異動という制度を活用してJR東日本グループのジェイアール東日本企画に出向しました。ここでの仕事内容は転職した際の希望を叶えられています。 

国や東京都の課題解決サポート ソーシャルビジネスに従事 

中川:ジェイアール東日本企画では、主にどのような業務を担当されていますか? 

小川:ソーシャルビジネスソリューション局に所属して、ソーシャル領域の業務を担当しています。国や東京都といった官公庁の公募案件の請負が主な業務です。街づくりというよりも、国や都が抱えている課題に対して私たちがソリューションを提供する形です。業務内容は幅広く、例えばメタバース空間で産業などの魅力を発信する事業、東京都の観光に関する情報を発信して観光業界で働きたいという人を増やしたりする事業などがあります。事業の中でタレントさんを起用して広報目的のCMをつくる時もあります。 

中川:小川さんは前職のアデコに勤務していた頃に多くの求職者と接した経験をお持ちです。そして、今はソーシャル領域の仕事に携わっていらっしゃいます。社会課題を解決するソーシャル領域で求められるのは、どのような人材だと感じていますか? 

小川:ソーシャル領域で活躍している人の共通点として感じているのは「アンテナの高さ」です。担当している業務とは直接関係ないイベントに休日を利用して参加するなど、色々なことに興味のあるタイプがソーシャル領域では活躍している印象です。現場で見聞きした生の情報、蓄積された経験が仕事の引き出しにつながっていると考えています。 

覚悟や責任感 自衛隊出身者が持つ民間でも重要な要素 

中川:自衛隊出身者は自分に与えられた任務を完遂することは得意ですが、自分で考えたり、物事に対してアンテナを高く保ったりする部分は苦手な面があると感じています。今のお話を伺っていると、民間企業に出てから足りない要素を鍛えていくイメージですか? 

小川:たしかに、自衛隊と民間企業の働き方や考え方は違います。ただ、私がJR東日本で駅業務をやっていた時には、どちらかというと与えられた仕事を正確に行う役割が求められていると感じ、自衛隊に近い働き方をしていました。自衛隊出身者はどんな状況でも覚悟や責任感を持って任務をやり遂げる能力やマインドに長けていると考えています。「自分がやらなければいけない」と覚悟を持って業務に向き合うことができれば、アンテナを高く保って自分から情報を得るための行動を起こすはずです。柔軟性や適応力は周りの人を観察して経験を重ねていけば自然と身に付く面もあるので、民間企業に転職してから鍛えていけば良いと思います。 

中川:小川さんは現在民間企業に順応し、希望する仕事にも携わることができていらっしゃいますが、今後はどのようなビジョンを描いていますか? 

小川:JR東日本はホテルや駅ビルなど多くのアセットを持っています。こうしたアセットと鉄道という強みを活かして、新たな収益を生み出すビジネスを構築していきたいです。防衛大や自衛隊では「稼ぐ」という概念がなく、国や国民を守る任務に全てを注ぎます。今はお客さまに満足していただくと同時に会社の利益にもなる事業やサービスを追求する、民間企業ならではの楽しさを実感しています。 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2024年7月にBallista入社。8月からスタートした自衛隊出身者のネクストキャリアをサポートする事業「Catapult(カタパルト)」を担当。防衛大学校卒業後、入社試験時の適性検査を販売する企業で営業職などを経験。人材獲得や入社後のミスマッチに課題のある会社の内定率向上や離職率低下に貢献した。

コメント

コメントする

友達登録 LINEで新着情報を受けとる
友達登録で特典プレゼント