元陸上自衛官の池田真輔さんは現在、プルデンシャル生命保険でライフプランナーとして活躍されています。池田さんが複数社から内定を得て、希望する企業への入社を勝ち取れた秘訣は、自衛隊時代に学んだ、達成すべき目標を明らかにする「任務分析」を転職活動に応用したことでした。
【プロフィール】
池田真輔:防衛大卒業後、陸上自衛隊に入隊。約10年間の勤務を経て、プルデンシャル生命保険に転職。営業職のライフプランナーとして活躍している。
古川勇気:2024年7月にBallista入社。8月からスタートした自衛隊出身者のネクストキャリアをサポートする事業「Catapult(カタパルト)」を担当。防衛大卒業後、入社試験時の適性検査を販売する企業で営業職などを経験。人材獲得や入社後のミスマッチに課題のある会社の内定率向上や離職率低下に貢献した。
忘れられないレンジャー訓練 やり遂げた経験が自信に
古川:自衛隊の経験で印象に残っていることはありますか?
池田:防衛大から幹部候補生学校を経て、陸上自衛隊に入隊しました。最も記憶に残っているのはレンジャー訓練ですね。3か月の訓練のうち7日間くらいは、ほぼ何も食べず睡眠も取らず、約40キロの装備を付けて100キロ以上行動します。海からの潜入では、足が塩水に浸かった状態で動くので足の裏が大変なことになりました。それでも、逃げずにやり遂げた経験は自信につながりました。
古川:自衛隊では経験が浅い中で多くの部下を持つケースもあります。人間関係の構築は苦労しませんでしたか?
池田:最初は、小銃小隊長に就きました。自分より知識や経験が豊富で父親と同じくらいの年齢の方も部下になったので、最初は難しさがありました。ただ、苦しい場面に直面しても、逃げずに自分が引っ張っていく姿勢を見せていれば、アドバイスやサポートしてもらえます。それから、知ったかぶりをせず分からないことを質問、相談するなど、積極的にコミュニケーションを取っていると確実に信頼関係は深まっていきます。年上の部下や年下の上司は民間企業でも珍しくないので、良い経験になりました。
「自分の力を試したい」 民間企業への転職決意
古川:自衛隊でやりがいを感じていたにもかかわらず、なぜ転職しようと考えたのですか?
池田:自衛隊はすごく良い場所でした。ただ、一度きりの人生で自衛隊以外の世界も見てみたいと、ずっと思っていました。防衛大の頃から希望していたレンジャーを経験することができ、今度は民間企業で自分の力を試したい気持ちが強くなりました。自分の考えで行動して、個の力で勝負する働き方に惹かれました。
古川:どのように転職活動を進められましたか?
池田:転職サイトに登録して、スカウトメールが届いた会社と連絡を取りました。業種は興味を持っていた金融関係が中心でした。現在勤務しているプルデンシャル生命保険も、スカウトを受けた企業の1つです。5社くらい最終面接まで進み、第一志望だったプルデンシャル生命保険から内定の連絡が届いたので、その時点で転職活動を終了しました。
書類選考や面接対策で重視した2つのポイント
古川:転職活動している自衛隊出身者の中には、職務経歴書の作成、特に自己PRの記入に苦労している人が少なくありません。書類選考や面接では、どのような点を意識されていましたか?
池田:心掛けていたのは主に2点です。1つは、志望する企業がどのような人材を必要としているのか研究すること。もう1つは、自衛隊の経験を入社後どのように活かすのか具体的に説明することです。1つ目については、企業のホームページから、求める人物像が見えてきます。例えば、プルデンシャル生命保険では、過去に頑張った経験から将来にどのくらい頑張れるのか期待値を推測しているのではないかと分析しました。私は自衛隊でピンチに直面した時、どのような思考や行動で解決したのかを伝えました。それから、私は営業職を希望していましたが、営業は簡単に契約をお預かりできるわけではありません。プルデンシャル生命保険のホームページを見ると、困難に直面した時の行動力を重視していると分析できたので、その点をアピールできる自衛隊時代のエピソードをまとめて、書類や面接で表現しました。
転職活動でも営業職でも活きる 自衛隊の「任務分析」
古川:転職活動では自衛隊の経験が民間企業でも強みになると感じられましたか?
池田:はい、強みになると感じました。例えば、自衛官の時に行っていた「任務分析」は民間でも応用できる部分がたくさんあります。任務分析では「達成が望ましい目標」と「必ず達成しなければいけない目標」の2つを掲げます。自分に求められている役割を考え、組織として最大限の力を発揮する方法を追求します。また、自軍と敵の情報を比較し、どこに勝ち目があるのか、その勝ち目を活かすための戦い方を導き出します。こうした準備や思考は転職活動でも重要になりますし、もちろん営業職でも大切です。面接官やお客さまが求めていることを把握し、自分の役割や勝ち筋目を掘り下げて考えることで、望んでいる結果を出せる可能性を高められます。
古川:5社の企業で最終面接まで進んだ中、何がプルデンシャル生命保険入社の決め手になりましたか?
池田:実は元々は、保険業界に良いイメージがありませんでした。しかし、プルデンシャル生命保険の担当者から話を聞いて「保険は相手をだまして売るものではない」と分かりました。今の会社は、保険をオーダーメイドできます。お客さまと一緒につくり上げていけるところに魅力を感じました。それから、入社3年目からはフルコミッション(完全歩合制)なので、お客さまに貢献した分だけ評価される制度にもやりがいを感じて入社を決めました。
元自衛隊がアドバンテージ 全国各地につながり
古川:今の仕事を選んで良かったと感じるのは、どんな時ですか?
池田:一番はさまざまな人たちと出会えるところですね。先日タクシーに乗っていた時、運転手さんとサッカーの話で盛り上がりました。私も学生時代にやっていたサッカーが特技なので、今度一緒にフットサルをしましょうと声をかけました。フットサルを通じて仲良くなり、話をするうちに保険の相談を受けるようになって契約に至りました。何気ない会話や出会いがきっかけになって、大切にしたいと思える方の人生をサポートするチャンスが生まれるのは、この仕事の良さだと感じています。
古川:民間企業に転職してからも、自衛隊に入っていて良かったと思うことはありますか?
池田:自衛隊に所属していたことがアドバンテージになっています。防衛大や自衛隊出身者は同期の横のつながりだけではなく、先輩や後輩といった縦のつながりも強いです。営業先で自衛隊出身という共通点があるだけで、一気に距離が縮まります。プルデンシャル生命保険は営業の担当エリアが決まっていないので、私は自衛隊官時代の縁で全国各地を訪れています。
転職の第一歩 自分の良いところを5つ挙げるところから
古川:今後の目標を教えてください。
池田:保険の営業は、契約したら終わり、ではありません。また、要望を聞くだけではなく、お客さまが気付いていない重要なことを話の中で把握し、問題解決のお手伝いをするスキルが必要です。「池田さんに出会えて良かった。任せたら安心」と言ってもらえる存在になりたいです。
古川:転職を考えている自衛隊出身者に向けてアドバイスやメッセージはありますか?
池田:やりがいや達成感がなく、何となく働いているのであれば、自分が輝ける場所や成長できる場所を探してみてください。毎日が必ず充実します。自信が 持てない人は、まずは自分の良いところを5つ挙げてみると、その良さを活かす仕事が見えてきます。個人的には、やりたい仕事よりも自分に合った仕事に就く方が上手くいくと考えています。好きなことは趣味にできますから。転職に向けた一歩は重いかもしれません。しかし、踏み出してみると意外と難しくありません。もし自分1人で行動できない場合は、Catapultのキャリアパートナーに相談するところからファーストステップを歩んでみてください。これ以上ない心強い相談相手になるはずです。
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